学び直す意味とはなにか

10月21日の入山先生の「世界標準の経営理論」の福岡市での勉強会に参加してきて感じたこと その⑤ 

 当日少しだけ話題にでた言葉「弱いつながりの強さ」。スタンフォード大学のマーク・グラノベッターの論文のタイトルということです。

 この論文では、1970年代のアメリカの就職活動をおこなっている若者を調査し、就職先の口コミを教えてくれた相手と普段からどのくらい親密であるかを調べています。

その結果、友人や親のようなよく会う人から得られたと答えた割合はわずか17%。残りの87%の人たちは、自分を就職に導いた情報は、普段はたまにしか合わない「ちょっとした知り合い」を経由して得られたものだったそうです。

 (この話は続きがあり、情報の伝達効率についても言及されています。

  「世界の経営学者はいま何を考えているのか」入山章栄著 P162)

 

 さて、今はsnsも普及していて、自分に類似した人が集まりやすい時代です。弱いつながりに、どのように自分の存在から遠い人を盛り込むか。そのつながりから、どうやって、ちょっとした情報を入手するが、ポイントといえそうです。

 

さて、入山先生が当日おっしゃられていたこと、

これまでは、正確性に基づく将来予測が重要であった。

今後は予測しづらくて、変化が早い未来

主観でよいので、納得性があることが重要になる。

ビジョンストーリーテリングがキーワード

企業の長期ビジョン策定と従業員一人一人のビジョンがあいまっていく形に変化していく

 

 当日はセンスメイキング理論という単語も、でてきたのですが、私はこの理論は個人のキャリアにもとても重要だと考えています。

 

バルミューダのトースタの話を例にした記事があるので、是非読んでいただきたいのですが、分析という過去視点ではなく、現在進行形の時間軸で、周りを納得させられる話をどれだけできるか。

「ほぼ日」におけるセンス・メーキングと時間感覚 | 組織社会学から見た「ほぼ日」|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー

 

会社だけではなく、個人も自分のキャリアを振り返り、意味付けし、そこから、今現在に根付いているものをおりまぜた将来ビジョンを語っていく。

ある程度社会人経験を積んで大学や大学院で学び直すことの意味は、会社で使えるスキルを学ぶことよりも、意図せずにキャリアの振り返りと、意味付けを現在進行形でするところにあるのかもしれません。で、なくては、忙しい中で時間の捻出も、お金の支出もできませんから。