キャリア教育は、自分を知ることから。

先日、九州産業大学の集中講義を見学させていただく機会をいただきました。レゴ®シリアスプレイ®メソッドを活用した特別講義(経営学部2年以上専門科目2単位)ということで、前期だけで、48名の学生が参加。午後の時間をかけて、じっくり。全5回が終了するころには、「考える力」がつくことを目標とされているそうです。今回は「自分を知る」というテーマで

、聞間教授が出す問いについて、レゴブロックを使い作品を作り、自分と向き合いながら作品を解釈し、学生同士で質問しあい、深めていくというプロセスを繰り返します。

 

作品は、個人のものなので、具体的な記載はしませんが、それぞれ独自性をもって、自分を表現していました。

作品も早くできる人、じっくり作る人、一回作ったものに手を加えていく人、できあがったら終わりの人。正解はありません。でも、こういった講義を通じて、自分はどのタイプなのか、それを知ることもとても貴重です。

質問にすんなり答えられる人、じっくり考えて話す人、答えられず黙ってしまう人。これも正解はありません。どうしても、社会にでると「早くこたえられる人」「はきはきこたえられる人」が評価されがちですが、じっくり考えて話すこと、答えられず黙ってしまったとしても、折に触れて考えていく人も、後から力を発揮することも多いのです。なので、自分は答えられなかった。〇〇さんは、なんでも立派な答えができていいなと思わずに、「自分はじっくり考える方だ」「すっきりしないと話せない方だ」とか自分を認めてあげてほしいのです。そして、時には、周りに「自分はじっくり考えたいから、答えに時間がかかるかもしれない」と言ってみてほしいです。そうすると、早く答えをださないとというプレッシャーから解放されていきます。

 

今回の授業は、直接的にはキャリア教育や就職支援に関連するものではありませんが、自分を知ることが大前提。

どの業界に向いているか、何の仕事がしたいかというのは、実は、そんなに問題ではなく、まず、自分がどんな性格で、どんな風に物事を考えていて、ということを理解しているかということがとても大切です。そして、それは、そんなに簡単に答えがでるものではありません。自分の性格は実は、周りが思っている性格と全く違うこともありますし、周りの期待に過剰に応えているだけのことも多いのです。

なので、就職!とか、キャリア!とか、そんな言葉ではなく、考える力をつける大前提としての「自分を知る」という今回の授業は、後からじわーっと個人個人の心に効いてくると思います。目の前のエントリーシートの書き方も、場合によっては大切ですけど、エントリーシートだけうまく書いても、面接でこたえられなかったり。内定をもらっても、何か自分のしたかったことだ!との感触がもてなかったり。

この講義、今回は第1回なのであと、4回あります。じわーっと効いてきた学生が、その後どのように表現するようになるのか、どんな気づきがあるのか、楽しみです。

 

************************追記

今途中まで読んでいる、「学びの哲学の第2章 授業の実際と授業づくり」では、教師がいつ出るか、どのように出るかが重要とされており、それを適切に判断する「観察の視点」が列記されています。

 

今回、見学させていただいた講義は、大学生ですので、この観察の視点がそのまま当てはまるわけではないでしょうけれど、以下のような光景が見られました。

そして、それは、追及が深まる→ゆれる→思いつく→ゆれる→深まる などのようにそれぞれが互いに影響を与えながら、戻ったり、進んだりしながら、でも、「自分と向き合う」というテーマに一貫して取り組めていたように思います。

 

子供の追及が深まっていく時

一気に長くノートに書く

動作や喩え話を入れて話す

ゆれる時

下を向く

無口なる

活動から離れる

思いつく

周りの子に話しかける

急いでノートにメモする

当てられないと残念な表情をする

 

 

 

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