先ず「人事」より始めよ

昨日の、中原淳先生のブログを読んで、首が縦になんども動いていた人も多いのではないでしょうか。

 

人事施策のあいだの「内的整合性」が低い

 

これ、私自身も体感してきたことです。

人事って、現場からみると「人事」とひとくくりなのですが、

ある程度の規模の会社だと、分業化されています。

 

人事といって大体イメージしてもらえるのは、

・採用

・給与 

・そして研修(人材開発)ですね。

 

それ以外に、人の異動とか、グループ会社からの転籍とか、採用じゃないけど人に関するあれこれをやっているいわゆる「人事」

後は、労制という制度設計を行う仕事があります。

 

そして、これ、面白いくらいに細分化されたラインになっています。

企業の規模にもよりますが、採用と人事は親和性が高く兼務していたりしますが、労制、給与、人材開発は、それぞれマネージャーがいて、部下がいて・・・というパターンが多いです。場合によっては、これと別にダイバーシティ推進部とか女性活躍推進部とかが加わる。

 

で、これ、グループ間で案外仲が良くないのです。

原因は会社によると思いますので、一概にはいえませんが、人事・労制はわりと花形だったりします。出世が期待されている若手が配属されて、みっちり鍛えられる。人事の表も裏もここで学ぶイメージです。

給与や人材開発は、女性が多くて、出世というよりもきめ細かなサービスをするイメージでしょうか。

 

で、それぞれにグループの間には壁がある。

もう面白いくらいに、「妖怪 ぬりかべ」ですよ。

取り込まれるような、どこまでいっても切れ目がないような。

 

従業員側からすると、同じ人事でしょ?(中原先生のブログの最後にもある通り!)

でも、人事の中では、「いっしょにしないでくれる!!!」くらいの勢いがあったりします。これでうまくいくわけもないので、当然、人事や労政が人事戦略をたて、制度をつくっても、じゃ、それを行う「ヒト」を育てるところに落とし込めていない。まさしく絵に描いた餅がたくさんある羽目になるのです。

 

それをなんとかするのは、まさしく自らの組織開発でしかないわけですけどね。

大きな組織でなければ、「人事部長」がこれらのグループをみているので、まだ、組織開発してなんとかなると思います。

会社の規模によれば、人事部・人材開発部と別組織になっていることも多いので、そうなると、もう、かなり真剣に組織開発をまず自らでやってみないとだめでしょう。

 

ちなみに、私もほんの3~4か月だけ、人事・労制・健康管理・研修を統括していたことがあります。そのポジションだと、ちゃんと一本筋を通しやすいし、ぶれずにできますね。(部下のマネジメントに失敗して、すぐにポジションチェンジしてしまい、結局、人事・労制だけをみるようになったオチつきですが)

 

案外、従業員の皆さん、しっかりみていて、他の部署のことをとやかくいう、あるいは会社のことをとやかくいうなら、足元からやれよ!と思ってるので、先ず隗より始めよなのだと思います。

 

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