学び直しも越境も、すべては自分の中の話

 

MALL(経営学習研究所)のイベントが福岡に。ということで、昨日は参加してきました。

テーマは2つ ①越境とはどういうこと? ②副業を「福業」にするためには。

 

東京からおこしいただいた皆さんも、福岡で活躍されている皆さんもこのテーマにそって自分の考えをお話されていて、学ぶということは・・・を改めて感じた貴重な時間でした。

 

私にとっての

「越境とは」

会社の中にも、自分の中にも、いろいろ境があって。

会社の中で共通言語もあるし、暗黙知の共有もあるし、でもそれでも「境」を感じる瞬間。ずっと人事の仕事をしてきて、人事はある意味「ソトの人」だと感じてきました。本当は「ソト」ではいけないのだけど、私は「中の人」にはなれなかったのです。だから、現場にいくときも、いつも、アウェイ感がありました。でも、それは、自分の中の問題で、えいやっと壁というか、柵というか乗り越えていく感覚。

だから、越境というのは、自分の中の境界がどれくらい明確なのかという問題だと思っています。自分の中に、いろんな境や柵があふれていて、それに気づきながら、むこうの境界の出来事を知りにでかけていく、それが私にとっての越境学習です。だから、昨日みたいな場はHOME。職場が越境学習。

 

大人は自由に学べるし、どう学ぶか、何を学ぶか自分でデザインしていくことができると昨日、中原先生がおっしゃられていたけれど、でも、世の中って、そんなに自由とは感じられなくて、いろんな閉塞感にみちていて、息苦しくて、生きていくのが精いっぱいで、という人たちにあふれていて。

 

たまに自分のいる空間が幸せすぎて、それを忘れてしまいそうになるけれど、人事をしていたときに、ある方からいわれた、「多くの犠牲のもとにあなたたちが生きていられるということをわすれないでほしい」という一言。まだ棘のように刺さっています。

 

学び直しも副業も、越境も、すべては「意識高い系」とか「特権階級(とまではいわなくても、裕福な層)」の出来事じゃないといわれることも多いし、私もそう思う節もなくはないけれど、だからこそ、学ぶことで生き延びることができると伝えたいなと思うのです。

学ぶことは楽しいとは私はまだ言えないのだけど

一生懸命仕事をしていても、理不尽なことでその場が奪われることがあり、

多分これからの日本ではそんなことがたくさん起きてくる。

そうなったときに、自分を守れるのは自分だけだから。

 

良質の学びは自分を強くし、価値を高めてくれる。

そもそも、越境よりも前に「学ぶ」価値を伝えたい。

スキルアップとかきれいな言葉じゃなく、あなたとあなたの大切な人たちを守るために、

いざというときに守れるように

「学ぶ」のだと伝えたい。

 

昨日は、そういう気持ちになれた時間でした。

副業は、まだ「福」という気持ちになれないので、宿題。。。

 

 

 

自分の言葉でしか伝わらない

とある企業でコミュニケーション研修の依頼を受けて実施しました。

 

スキルなどたくさんお伝えして、ワークをいれて。

なかなかもりだくさんの内容でしたが、まずまずの評価をいただき一安心。

(個人的にはもっとコンテンツを減らしてもと思ったのですが、研修の最終地点がちょっと高めなオーダーだったため、かなりハードな内容に。頑張ってついてきてくださった受講生のみなさまに感謝。)

 

さて、研修後に一番印象に残ったことを、お伺いしたところ、どんなスキルや、有名人の言葉の紹介よりも、「自分の持ち味をいかしたコミュニケーション」という一言が印象的だったそうです。

自分はどうみられているか、自分はどうありたいか、そんなことを意識しながら、コミュニケーションをとってみて。とお話したのですが、そんなに印象に残っていたとは。

うれしいような、もっと役立つスキルをお伝えすればよかったような。複雑です。

 

私はコミュニケーションは得意ではありませんが、だからこそ、のお話ができるのがよかったのかしら(失笑)

 

強みと弱みを知ったから理解できたこと

個人的な話です。

 

ストレングスファインダーで強み分析をして、

MBTI®で自分の性格を知って、

それまであまり役に立っている実感はなかったのですが、

最近、あ、これって自分の強みがこれだから、

こんな思考になっているなとか、いまは強みが裏目にでているなとか、

自分の気持ちの動きが感じ取れるようになりました。

 

強みや弱みというと、仕事で活かすとか、就職のときに適職につくとか、そんな活用方法がよく考えられます。実際そのような相談も多いのですが、いまは自分の強みがでているとか、強みが発揮されてないなとか、客観的に分析できることではないかと思います。

 

ストレングスファインダーで調べた私の強みのTOP5には、「信念」が入っているのですが、例えば、打ち合わせに遅れてくる人が許せなかったり、仕事以外の集まり(例えば地域とか、PTAとか・・・)で、とりあえず来ているだけの人が許せなかったり、これって、「信念」がマイナスに働いているなと思えるようになりました。

よく、責任感が強いのですねと言われますが、違います。

責任感というよりも、「~するべき」という思考に近いような。

この自分の感情の動きに敏感になってから、ストレスが減った気がします。

地域の打ち合わせに遅れてくる人がいても、例えば、この人はこれは仕事じゃないと思っているから、そこまで優先順位が高くないんだろうな。とか、実際はどうかわかりませんが、勝手に解釈して、怒りを外に逃がすことができるようになりました。

 

そして、私のストレングスファインダーの弱み(下位5つ)

この下位5つは、もう、どんなに努力してもどうしようもないらしいのですが、

私はその1つに「包含」が入っています。これが、この「信念」の価値観に拍車をかけていると解釈しています。

 

どうしても、TOP5に目が行ってしまいますが、その組み合わせ、そして、下位5つの組み合わせで、また、強みや弱みの出方が違ってくるので、追加料金がかかりますが、ぜひ全資質の順位を調べてみることをお勧めします。

 

まずはこちらの本でTOP5を調べてみるところから

 

http://hthttps://www.amazon.co.jp/さあ、才能-じぶん-に目覚めよう-新版-ストレングス・ファインダー2-0/dp/4532321433/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1525928338&sr=8-1&keywords=%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%B9tps://www.amazon.co.jp/さあ、才能-じぶん-に目覚めよう-新版-ストレングス・ファインダー2-0/dp/4532321433/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1525928338&sr=8-1&keywords=%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%B9

 

 

 

 

MBTIを大学の授業で導入するメリットとは

 MBTIを活用して自分を知るとどのような変化がでるのかについて、とても面白い結果をまとめた論文があります。

大きな組織や大学で導入しようとすると、それってエビデンスあるの?効果はどのくらい?となり、その効果を定量的に伝えるのは難しいのですが、MBTIについては、その効果について、研究をされている方々がおり、MBTIを活用した授業を大学で導入し、その前後に自尊感情尺度をはかったところ、プラスに働いていることがわかっています。

 

私は、この自尊感情に影響があるところが、キャリア教育でとても有効と思っています。

つまり、自尊感情とは、「他の人に比べて私は優れている」ではなく、「ありのままの自分をこれでよい」と認めることができる感情です。他の人と比べることでは、結局そのときはよくても、評価している、あるいは自分で自分を評価しているのですから、自分を主語にして、自分のありようをみとめにくいのです。

 

 個人的な感触なのですが、いまの学生と接していると、一部の学生は著しく自尊感情が低いように感じます。さらに、その学生たちは、就職活動を行う中で、ますます自分はダメだという気持ちを強くしていきます。

 自分は自分のままでいい、これでいいのだと思う力こそが、就職活動を行うときに大きな力になるのではないでしょうか。

 面接官の求めている答えを、いかにもそのように話すのではなく、本当の自分を包み隠さず話す。それを認めてくれる会社に入社する。そのことにより、やっぱり思った会社と違うというミスマッチもなくなり、短期での離職も減るのではと予想しています。入社のミスマッチを減らす、それこそが、大学でMBTIを実施するメリットなのではと思います。

自分を知るために性格検査MBTIを利用してみる

MBTIという性格検査。

日本では、まだまだあまり知られていません。

外国ではかなり一般的(国によっては血液型と同じくらい何型?という会話がなされるとか・・・)ですが、日本では、MBTIを知っているのは、外資系の人事担当者、カウンセラーの勉強をしたことがある方などごく限られた方のような。

私も実は、カウンセラーの勉強をしたときには、あまり関心を持ちませんでした。

 

そもそもMBTIとは

ユングのタイプ論を元にしたもので、一人一人の性格を心の機能と態度の側面からみたもの。

「ものの見方」「判断の仕方」「興味関心の方向」「外界への接し方」の4指標であらわされ、16タイプに分類されます。

 一番特徴的なのは、多くの性格診断やツールは、一度診断を受けるとそれがその結果として変わりません。自分が、なんかこの結果に納得できない!と思っても、結果が変わることはないのがほとんどです。

 でも、MBTIは、結果をもとに、MBTIの実施者(認定ユーザー)と一緒に、16タイプの中ででた結果がしっくりくるかを、自分でみつけていくのです。

 

実際に、私も、受検した結果と、自分がしっくりくるタイプ(ベストフィットタイプ)は異なっていました。

 

このツールで自分を知ることができることの何が有意義かというと、一番は、自分の考え方、ものの見方がわかるということです。

一般的に、行動面が注目されがちな「自分を知る」こと。

例えば、コミュニケーション、慎重さ、几帳面さ、責任感、ポジティブシンキング、いろんな面から、自分はどうだろうと考えてみることはあると思うのですが、自分がどのように物事を見ているのか、どのように判断しているのかなどをじっくり考えてみる機会は少ないのではないでしょうか。

 

私は、カウンセリングを学んで、人の話を聴くことは「スキル」としては身につけることは少しはできたと思うのですが、他のカウンセラーの方と比較して、どうも自分の感じ方と違うなと思っていました。何がどう?というわけではなく、感覚的に「違う」ということなので、表現しにくいのですが。

 

でも、MBTIの認定ユーザー(MBTIを実施するための認定資格)の勉強をする中で、自分が他の人とどう違うのか、どういう人たちと特に違うのかがわかってすっきりしました。

そして、このタイプと思われる人と接するときは、このように思われる、誤解されるので、こんな対応をした方がいいなということも学べました。

 

いろいろなツールがあり、それぞれに良さがありますが、「自分を知る」根底にある、考え方、自分を形成しているものを知るという面では、MBTIはかなりの効果があります。

自分を知ることは第一段階ですので、チームビルディングや、コミュニケーションにもとても効果的です。

 

チームビルディング研修の一環として、あるいは、リーダーシップ研修の中で自分のリーダーシップスタイルを知るため、部下とのコミュニケーションを見直すため、いろんな用い方があると思います。

どのような使い方をするかも含めてご相談ください。

 

 

office-spindle.jp

 

 

 

キャリア教育は、自分を知ることから。

先日、九州産業大学の集中講義を見学させていただく機会をいただきました。レゴ®シリアスプレイ®メソッドを活用した特別講義(経営学部2年以上専門科目2単位)ということで、前期だけで、48名の学生が参加。午後の時間をかけて、じっくり。全5回が終了するころには、「考える力」がつくことを目標とされているそうです。今回は「自分を知る」というテーマで

、聞間教授が出す問いについて、レゴブロックを使い作品を作り、自分と向き合いながら作品を解釈し、学生同士で質問しあい、深めていくというプロセスを繰り返します。

 

作品は、個人のものなので、具体的な記載はしませんが、それぞれ独自性をもって、自分を表現していました。

作品も早くできる人、じっくり作る人、一回作ったものに手を加えていく人、できあがったら終わりの人。正解はありません。でも、こういった講義を通じて、自分はどのタイプなのか、それを知ることもとても貴重です。

質問にすんなり答えられる人、じっくり考えて話す人、答えられず黙ってしまう人。これも正解はありません。どうしても、社会にでると「早くこたえられる人」「はきはきこたえられる人」が評価されがちですが、じっくり考えて話すこと、答えられず黙ってしまったとしても、折に触れて考えていく人も、後から力を発揮することも多いのです。なので、自分は答えられなかった。〇〇さんは、なんでも立派な答えができていいなと思わずに、「自分はじっくり考える方だ」「すっきりしないと話せない方だ」とか自分を認めてあげてほしいのです。そして、時には、周りに「自分はじっくり考えたいから、答えに時間がかかるかもしれない」と言ってみてほしいです。そうすると、早く答えをださないとというプレッシャーから解放されていきます。

 

今回の授業は、直接的にはキャリア教育や就職支援に関連するものではありませんが、自分を知ることが大前提。

どの業界に向いているか、何の仕事がしたいかというのは、実は、そんなに問題ではなく、まず、自分がどんな性格で、どんな風に物事を考えていて、ということを理解しているかということがとても大切です。そして、それは、そんなに簡単に答えがでるものではありません。自分の性格は実は、周りが思っている性格と全く違うこともありますし、周りの期待に過剰に応えているだけのことも多いのです。

なので、就職!とか、キャリア!とか、そんな言葉ではなく、考える力をつける大前提としての「自分を知る」という今回の授業は、後からじわーっと個人個人の心に効いてくると思います。目の前のエントリーシートの書き方も、場合によっては大切ですけど、エントリーシートだけうまく書いても、面接でこたえられなかったり。内定をもらっても、何か自分のしたかったことだ!との感触がもてなかったり。

この講義、今回は第1回なのであと、4回あります。じわーっと効いてきた学生が、その後どのように表現するようになるのか、どんな気づきがあるのか、楽しみです。

 

************************追記

今途中まで読んでいる、「学びの哲学の第2章 授業の実際と授業づくり」では、教師がいつ出るか、どのように出るかが重要とされており、それを適切に判断する「観察の視点」が列記されています。

 

今回、見学させていただいた講義は、大学生ですので、この観察の視点がそのまま当てはまるわけではないでしょうけれど、以下のような光景が見られました。

そして、それは、追及が深まる→ゆれる→思いつく→ゆれる→深まる などのようにそれぞれが互いに影響を与えながら、戻ったり、進んだりしながら、でも、「自分と向き合う」というテーマに一貫して取り組めていたように思います。

 

子供の追及が深まっていく時

一気に長くノートに書く

動作や喩え話を入れて話す

ゆれる時

下を向く

無口なる

活動から離れる

思いつく

周りの子に話しかける

急いでノートにメモする

当てられないと残念な表情をする

 

 

 

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「問い」について考える その①

「作ることで学ぶ Makerを育てる新しい教育のメソッド」という本を読んでいたら、設問に関するとても興味深い内容が書かれていました。

よい設問とは何か(P81 より抜粋)

 最高の設問は、「学習者の好奇心、経験、発見、驚き、挑戦、あるいはジレンマからでてきます。・・・(中略)・・・教師たちは、あまりにも頻繁な硬直した設問や過度に規範的な態度によって、生徒たちのパワフルな学習の機会を奪いがちのようです。・・・(中略)・・・

長く複雑な、あるいはひどく説明的な設問は、「セレンディピティ」の可能性を下げてしまいがちです。もっとも豊かな学習は、自分の考えがおよばない場所に達したり、不測の障害に遭遇したりしたときに行われるものです。・・・(中略)・・・

 よい設問は学習者に負荷をかけるものではなく、自由にするものなのです。

 

 どうしても、ファシリテータ、研修担当者は、細かい設計と、設問を行いがちです。

ただ、研修がスキルアップ系というよりも、イノベーションを創出するような内容である場合、キャリア開発のように、個人個人によって異なる受け止めと今後の設計が前提となっているような場合、このような場合には、この研修(教育)によって、何を受講者にもたらせたいのかということに立ち返り、「その設問は、受講者を自由にするのか?」と問いかけてみる必要がありそうです。

 

 往々にして、

 細かい設計は、自分のため。

 厳密な設問は評価のため。

 

 では、

 ファシリテータであるあなた、教育や研修担当者であるあなたは

 受講者のために

 何をするのでしょうか。

 または、何ができるのでしょうか。